
オランダの外交・国防について
オランダの外交の基本方針は、国連、EU共通外交安保政策及びNATO体制下での安全保障の推進を重視し、平和維持活動、軍備管理等で積極的な貢献を行うことである。また、開発途上国援助にも積極的で、ODA(政府開発援助)は対GNP比では世界第3位。援助額ベースでは世界第6位の援助国であり、大国と比べてもその積極性は明確である。ODAの約1割はNGOを通じて、特にアフリカ地域の援助活動に利用されている。
オランダは国内総生産(GDP)の1.6%を防衛費に充てており、2004年度の予算は約77億ユーロに及ぶ。オランダ国防省の総兵力は予備役を含まず約5万1千人、そのうち陸軍約2万2千人、海軍約1万1千人、空軍約1万1千人、王立オランダ保安隊(警察)約6千人という構成になっている。
オランダ軍の任務は、オランダ領土および連合国領土の保護、安定と、国際法秩序の維持、国内外における国内当局の法施行と災害対応、そして人道的支援の供給を担うことである。近年ではイラク南東部を管轄する英国軍指揮下の多国籍師団の下で、治安維持、人道支援、復興支援等を実施した。多くのオランダ軍兵士が他国の同士たちとともに世界中で平和活動に従事している姿は、テレビや新聞のニュースで頻繁に報道されている。