ケーススタディ
Branding paradigm

07

オランダ軍

The Netherlands Ministry of Defence

世界の自由、解放、安全という
共通の目的のために

Pictures from WorldBranding

オランダ国は1995年、軍隊への徴兵制を廃止した。それまで国防を存在理由にそれぞれが道を歩んできた陸海空軍が、「世界の自由、解放、安全という共通の目的のために活動する」と自己規定を行っていった。それは歴史的な選択であった。それを契機に、軍は市民から解りやすく開かれた存在としてあるために、あらゆるタッチポイントのあり方を見直し、5万人の組織を啓蒙し、ITによるアイデンティティマネジメントシステムが構築された。

a.

Redefining the Netherlands Ministry of Defence

オランダ国防省のシンボル

オランダの外交・国防について

オランダの外交の基本方針は、国連、EU共通外交安保政策及びNATO体制下での安全保障の推進を重視し、平和維持活動、軍備管理等で積極的な貢献を行うことである。また、開発途上国援助にも積極的で、ODA(政府開発援助)は対GNP比では世界第3位。援助額ベースでは世界第6位の援助国であり、大国と比べてもその積極性は明確である。ODAの約1割はNGOを通じて、特にアフリカ地域の援助活動に利用されている。

オランダは国内総生産(GDP)の1.6%を防衛費に充てており、2004年度の予算は約77億ユーロに及ぶ。オランダ国防省の総兵力は予備役を含まず約5万1千人、そのうち陸軍約2万2千人、海軍約1万1千人、空軍約1万1千人、王立オランダ保安隊(警察)約6千人という構成になっている。

オランダ軍の任務は、オランダ領土および連合国領土の保護、安定と、国際法秩序の維持、国内外における国内当局の法施行と災害対応、そして人道的支援の供給を担うことである。近年ではイラク南東部を管轄する英国軍指揮下の多国籍師団の下で、治安維持、人道支援、復興支援等を実施した。多くのオランダ軍兵士が他国の同士たちとともに世界中で平和活動に従事している姿は、テレビや新聞のニュースで頻繁に報道されている。

徴兵制から完全志願制へ

1997年にオランダ軍は徴兵制を停止し完全志願制に移行したが、その結果、十分な志願者の確保に苦戦することとなった。

オランダ軍は国際社会への貢献のため積極的な活動を行っていたが、その一方でそのようなオランダ軍の目的や活動を、国民が十分に理解していたわけではなかった。軍が社会のために必要であるのかという存在意義を問う議論もあがっていた。また、オランダ軍のイメージや情報は、国民に分断された形で届き、正確には伝わっていなかったという。メディアによって、軍のネガティブな情報が取り上げられる傾向が強いことも、軍が国民に正しく理解されていない一因となっていた。

完全志願制への移行を機に、このようなコミュニケーションにおける問題点が浮き彫りになっていった。国民の理解を得るため、また志願者の確保のためにも、国防省と軍の存在意義や活動の重要性を国民や世界へ伝えることが課題となったのである。

存在意義の再定義

まずオランダ国防省は自らの存在意義や目的を、改めて確認することから始めた。

安全保障と開発援助における国際的な情勢の変化により、時代を経てオランダ軍の役割も変化していた。これまでの抑止力としての国防任務だけでなく、平和維持活動や人道的援助などの積極的な活動へと役割の幅を広げていたのである。そこでオランダ国防省は全軍組織における最も重要な目的として、「平和・安全・自由」の3つを掲げた。オランダ軍は自らの任務や目的を再確認することで、自らの存在意義を再定義したのである。

組織の体系化

任務遂行時の軍は、新聞やテレビ、街中などにおいて、国内だけでなく世界中の人々の目にさらされる機会が多い。実際に活動する軍の姿は、国防省とその軍のイメージを大きく左右する。どの軍組織が世界のどこに派遣されようとも、常にオランダ軍、オランダ兵として見られている。つまり、軍内部で感じる各組織間の差異は、一般の人々には意識されず、どんな小さな単位の軍の行動であっても、オランダ軍というひとつの組織のイメージにつながっているのである。そうした意識から、オランダ国防省は人々に見られる立場であることを強く自覚し、以前までひとつの組織として統一していなかった国防省と各軍隊組織のアイデンティティの体系化をはかった。

改革

再定義された自らの存在意義を組織に浸透させ、また分割されていた軍組織の目的意識を統一すべく、オランダ国防省の全組織において横断的に様々な改革が行われていった。

このオランダ国防省のプロジェクトは、トータルアイデンティティ主導の下に進められた。シンボルロゴや宣伝活動のあり方、さらには啓蒙書による軍一人ひとりの意識改革にまで及んだ。啓蒙書は、自らのアイデンティティや存在意義について深く明記されており、オランダ軍の一員であることの自覚を促している。また、トータルアイデンティティが開発したi-Baseを利用して、コミュニケーションツールのデザインマネジメントを一貫して行っている。

b.

Unifying Logo of The Netherlands Ministry of Defence

オランダ国防省のシンボル

オランダ軍の目指すところは「平和、安全、自由」であり、新しいロゴは4つの軍隊組織がその共通の目的に向かって協調することを表している。4本の線は4つの軍隊組織、陸軍、海軍、空軍、軍事警察を表し、またその線が上向きに矢印の形に力強く収束する様子は、4つの組織が一つになり共同で目標に向かっていることを表現している。

色は明るい青とオランダ王室のオレンジの2色を使用する。青色は今では国際平和維持活動を象徴する色として一般的に知られている。青色とオレンジ色を組み合わせて白をあしらい、オランダ国旗の3色を暗示する工夫がされている。Defensie(国防省)の文字は紫色である。

オランダ国防省のシンボル

  • Doel =
    目的 Aim
  • Doelgericht =
    目標 Targeted
  • Defensie =
    国防省 Defence
  • Vrede =
    平和 Peace
  • Veiligheid =
    安全 Security
  • Vrijheid =
    自由 Freedom
  • Koninklijke Marine =
    オランダ王国海軍
  • Koninklijke Landmacht =
    オランダ王国陸軍
  • Koninklijke Lunctmacht =
    オランダ王国空軍
  • Koninklijke Marechausee =
    オランダ王国軍事警察

オランダ軍のシンボル

各軍に独自の標章が存在していたが、一般の人々に知られているものではなかった。新たなシンボル設定では、これまでトーンが異なっていた各軍の図像を、オランダ国防省というひとつの組織として認知できるよう一貫性のあるものにした。

各軍の標章は、陸軍は獅子、海軍は錨、空軍は鷲、警察隊は手榴弾を図案化したもので、オランダ王国を意味する王冠が付いている。これらの標章に、組織名、国防省と同じオレンジ色と青色の矢印部分のマークを一体化させたものが、各軍のロゴとなっている。各軍にはキーカラーがあり、海軍は、ネイビーブルー(Navy blue)、陸軍は深緑(Dark green)、空軍はダークブルー(Dark blue)、王立オランダ保安隊(警察)はディープブルー(Deep blue)が設定されている。

これらのロゴは、各軍隊組織が行うあらゆる発表に、国防省のロゴとともに使用される。新たなロゴは、これまで以上に一層、各軍組織と国防省の相互関係と連携の強化が表されている。

  • 各シンボルの軍名開発前
  • 各シンボルの軍名開発後
  • オランダ王国海軍
  • オランダ王国陸軍
  • オランダ王国空軍
  • オランダ王国軍事警察
c.

Handbook Looking at Defence

国防省組織内における自らのアイデンティティの自覚を促すため、またオランダ軍の存在意義や目的を一貫して外部に伝える必要性から、「kijken naar defensie(国防省への視線、Looking at Defence)」という啓蒙書が制作されている。

啓蒙書には、自分たちが見られる立場にあることを自覚することや、存在意義や活動を自らがイニシアチブを取って積極的にアピールすること、そしてそのための新たなコミュニケーション方法を模索することなどが、新たな使命として語られている。また共同で責任を負っているため、国防省組織内の各軍間における連携をより強固にする必要性があることや、チームワークの重要性も述べられている。そして、コミュニケーションを効果的に行うための簡潔な言葉の表現やイメージ写真の使用法など、デザインマニュアルの制定まで盛り込まれている。

オランダ国防省への視線

(kijken naar defensie/Looking at Defence)

イメージビルディング

強固なイメージ形成には時間がかかる。年単位の時間が必要なことも珍しくない。一度イメージを確立すると、その慎重な維持が必要になる。確立されたイメージは、繰り返し確認されなければならないからだ。

組織の性格あるいは個性は、イメージと一致するものでなければならない。イメージの形成は、ある組織が行為、象徴性、コミュニケーションにおいて示す態度に左右される。この3つの要素が「一致する」場合に限り、イメージはさらなる発展を遂げるという。

良いイメージは、他の作用を、もたらす事もある。隊員・職員の「仲間意識」が強まり、さらに良い結果が生まれる。このときもイメージと個性は重なり合っていると言うことができる。

”Birkigt and Staedtler”

我々は見られる立場にある

国防省は社会の中に存在している。我々に課せられる任務は、国内のみならず国際的なレベルでも次第に増えている。結果として、新聞やテレビ、また街中で、世間の人々の目にさらされる機会も多くなる。

必然的に、マスコミ等で頻繁に取り上げられるようになる。つまり、以前と比べると、コミュニケーションとイメージづくりの原則に関してさらなる自覚が求められているということだ。すでに述べたように、我々のイメージは、(多くの場合偶然に)我々を見かけた数パーセントの人々に左右されるのである。

もうひとつの原則は、我々がイニシアチブを取らねばならないということである。第三者が情報提供を行うと、必ずしも肯定的な側面が伝えられるとは限らない。実際、何か問題があれば、その方が「ニュース」として報道されやすいものだ。だからこそ、肯定的な情報の公開は、我々が自ら行わねばならない。より広い意味では、国防省に関して肯定的なイメージを形成したければ、まず自分たちがそれを伝えなければならないということになる。

国防省の知名度

究極のカモフラージュ専門家の集団として、国防省は他人の目を欺くことについては、レーダーに探知されないようにするための訓練まで重ねているくらいだが、注目の的になることについてはそれほどの対策を行っていない。しかし、国防省が目立つ位置に立つことも度々ある。映画館やテレビでのコマーシャルや、ポスターを使った隊員・職員募集キャンペーンには特徴がある。また広報誌は国防省関係者だけでなく、外部の人々にも読まれている。

そう考えることはほとんどないかもしれないが、我々の知名度は、募集キャンペーンのレベルにはとどまらない。外観、つまりコーポレートデザインとして、国防省は確実に認知されている。軍服や機材、施設、印刷物などがそうで、国防省が社会活動に参加する場面(これは高速道路を走る輸送隊の列に限らない)では、必ずこれらが目にとまる。そして、これは毎日繰り返されていることなのである。

良いイメージの重要性

国防省のイメージは、国防省の評判と言い換えることもできる。第三者が我々をどう理解し、どういった特性や出来事と関連づけているかということだ。あるイメージが、我々の実際の姿とはまったく逆のものであることも考えられる。これは不幸な誤解であるばかりでなく、我々が解決しなければならない厳しい現実でもある。

我々に課された任務を確実に遂行するためには、良いイメージが必要である。我々のイメージは、例えば新規隊員・職員の募集に必要な労力や、新人の熱意に大きく影響する。

強固なイメージは、同時に防護壁の役割も果たす。我々のイメージは、ニュースで報道される事実に対する社会の、そして最終的には政治の反応で決まる。我々が築き上げた信頼は大きいのか、小さいのか。事故が発生すると、すぐに国会質問が行われるか、それとも労災として処理されるだろうか。

望ましいイメージとは

我々の部隊の個性が一体何かということを明確にしないままで、国防省の魅力の喧伝に務めてもそれほど意味がない。ここに直接的に関わっている問題とは、我々は、言葉、イメージ、行動を介して、国防省の個性のどの部分を伝えたいと考えているのか、ということである。

必然的に、防衛、平和構築および平和維持、そして人道援助・支援活動という軍隊の3つの主な任務を出発点として考えることになる。これらの任務は軍の存在理由であり、したがってその個性の一部を形成するものと言える。

国防省の実際の個性は、これよりもさらに一歩進んだところにある。それは、軍が任務を最適の状態で遂行するために必要な特性と熱意が合わさったものである。ここでは、特性を責任、活力、目的意識という表現で捉えることにする。本冊子後半で、軍に備わったこの3つの特性について詳しく検討し、それを周囲に伝えるにはどうすれば良いかを説明する。

象徴性 〈記号の世界〉

象徴性とは、最も広い意味では、ある組織または人物の外見的な特徴の全体と同義である。国防省の世界には、非常に多くの象徴が存在する。軍服を見れば、我々はすぐに所属と階級が識別できる。公式行事では、さらに象徴が付加される。

区別をつけること、例えば軍人と民間人の区別、軍隊間の区別、ある軍人と別の軍人の区別は、この種の象徴の基本的な役割でもある。その一方で、象徴が人を結束させ、鼓舞する場合もある。軍人が軍服や所属する飛行隊を誇りに思うこともあるのだ。

このような感情的な意味づけにより、象徴は単なる目印以上の存在になる。根本的な象徴のひとつに、オランダ国旗がある。我々は個人としてそれぞれ違う部分を持ってはいるが、特定の場で目にする国旗の3色は結束感を与える。こういった感覚は、象徴が大切に、しかも厳密な手続き(伝統)に従って繰り返し扱われてきてこそ生まれるものだ。これは、もちろん新しいシンボル、例えば国防省のロゴについても大いにあてはまることである。

国防省の信望 〈活力:最新、熟練〉

2000年度国防政策書(Defensienota 2000)に基づく措置がすべて終了すると、オランダ軍は2009年には76,000人を超える人材(民間人職員を含む)を抱えることになる。この内訳は、海軍16,600人、陸軍34,500人強、空軍12,700人強、軍事警察約5,500人、DICOおよび中央機関で約6,800人である。また、最新で即戦力があり、柔軟な対応が可能な機材も揃っている。我々の実力は、人材、機材、そして知識がかたちづくっている。この能力を必要に応じて最適のかたちで結集するためには、多くの訓練が欠かせない。

演習は、非常に困難な状況における我々の働きを確認し、さらに向上を図るために必要である。軍隊として、我々は力強さを伝えなければならない。これは敵を威嚇するためだけではなく、任務を考慮した上での信号としての意味もある。したがって、ふさわしい自負心とともに、時折「筋肉」を見せることは許されるだろう。ただし、かつての東側の体制で見られたような、プロパガンダに陥ることは避けなければならない。洗練され、かつ謙虚なコミュニケーションが重要である。

海軍 〈国外派遣、自立性、有能〉

海軍は、独自の世界を持っている。水上船、潜水艦、ヘリコプター、哨戒機、海兵隊で構成され、各船艦は単独で完全に自立した部隊として機能している。

海軍は、所属の隊員に明確な要求をしている。国外に派遣されることから、船艦および部隊は、長期にわたって家族と離れて生活することを強いられる。このため、隊員には精神的な柔軟性と自立性が求められる。徹底した訓練により、隊員は最新鋭の技術に自信をもって対応できるようになる。海軍の隊員は、それぞれが自主的に任務を遂行し、それを成功に導く力を身につけている。

海軍にとっても、外の世界との境界は以前に比べると薄れている。緊急時の対応や、民間当局の援助におけるほかの軍隊組織との協力からもそれは見て取れる。海軍は、さまざまな「モジュール」(複数の艦船、ヘリコプター、航空機の集合体)から成っており、これはより大きな関係性の中に取り込むことができる。海軍の多様な世界には限界がなく、しかもやりがいがある。

実地のコミュニケーション

我々の個性は、組織の内外を問わず、コミュニケーションにおいて認識できるものでなければならない。留意する必要のある点を以下に簡単にまとめる。

  • 国防相は、軍に関して国会やその他の機関において弁明を行うために、あらゆる情報を入手することができる。
  • 軍は、外部のターゲットグループに対してより認識しやすい存在となる。
  • 国防省と社会の触れ合いについて、それを見せる機会を設ける。
  • 任務の遂行に関して積極的な情報提供を行う。
  • 報道関係および一般の人々に、大きな出来事があった場合には適時に信頼できる情報を提供する。
  • 関係者とその機材の規模と性能が一般に知られている。
  • あらゆるレベルで、共同に任務にあたっている場所とその時期を明らかにする。
  • 言葉とイメージを活用して、国防省の任務は人間の仕事であることを見せる。
  • 軍の任務の内容がより正しいかたちで知られるようにする。
  • 所属する部隊独自の資質でコミュニケーションを行うが、常に仲間意識を持ち、協調性を大切にする。

Basic Policy for Use of Language

表現:簡潔明瞭

コミュニケーションの様式において、表現は重要である。これについては、軍としてできる限り一貫した方針で行うのが望ましい。国防省は、その内外を問わず、あらゆる階層において、その特性にふさわしい言い回しを用いる必要がある。

焦点

国防省の表現は、簡潔明瞭、適切、直接的な関連性があるものである。国防省の表現は、冗長、散漫、古いものではない。

透明

国防省の表現は、分かりやすく、親しみやすく、能動的で、構成の整ったものである。国防省の表現は、あいまい、官僚的で、専門用語を多用し、受動的で、長々しい文章ではない。

力強い

国防省の表現は、明確で、説得力にあふれ、論拠を示したものである。国防省の表現は、命令的で、叱責するようなものではない。

人間的

国防省の表現は、手抜かりがなく、ターゲットグループに関連性のあるものである。国防省の表現は、社会一般を対象としたような柔らかな表現ではない。

誇り

国防省の表現は、洗練され、自信にあふれたものである。国防省の表現は、尊大で、傲慢なものではない。

Photographic Style

イメージの活用

写真はコミュニケーションにおいて非常に有効な手段である。視覚的メッセージである写真を利用して、国防省が社会的に意義のある活動を行っている様子を伝えることは重要だと考え、望ましいストーリーを語るイメージを選択、作成している。このようなイメージは外部向けのコミュニケーションでは特に欠かせないものである。

また同時に内部のコミュニケーションにおいても、日常的な場面のイメージの共有は重要である。日常的な任務にあたっている兵士や民間職員の効果的なイメージの共有は、お互いの認識度や仲間意識を高めるために貢献している。

内部/日常的

個人

  • 私は
    楽しい同僚
    制服を着たユーモア
  • 実行
    野外活動
    少年のための玩具
  • 力強さ
    仲間意識
    砲撃力(熱意)
  • パワーがある
    責任
    準備OK
  • 援助
    活動開始
    動員
  • 違いを生む
    社会とのつながり
    オランダの貢献

集団

外向的/重みがある

d.

BRAND PROMOTION

広報

広報用印刷物については、目的に応じて使用できるよう、様々なサイズの見本やパターンがあり柔軟性に富んでいる。またコミュニケーションにおいてはわかりやすさと一貫性を保っている。

Communication Design

ステーショナリー

日常的な内部、外部向けのコミュニケーションのために様々なステーショナリーが用意されている。レターヘッド、封筒、ファックス用紙、メモ用紙、報告書用紙、名刺等がある。

全てのステーショナリーは全軍組織において共通のものから必要に応じて、各組織独自のものを作成している。そうすることにより、経費の節約や管理を容易にしている。

例えばレターヘッドについては、あらかじめロゴが3色で印刷されており、各部の情報についてはモノクロのプリンターで印刷する。ロゴ付きの用紙は部隊共通である。また、名刺制作についても、あらかじめ一部が印刷されている用紙を使うことができる。

Signage System

アプリケーションアイテム

旗章、自動車、案内標識やグッズなどは、国防省の色でそのロゴがあしらわれており、自らの存在を示すものである。多くの物品についてはすでにデザインが決まっている。特定の対象物についてまだデザインが確定していない場合は、ロゴの使用に関する方針を忠実に守らなければならない。

e.

I-BASE Design Management

I-BASEの概要

i-Baseは、トータルアイデンティティが開発した、コーポレートアイデンティティを一元管理するための運用管理ツールである。インターネットを利用し、ガイドライン、ロゴや書類の電子ファイルによるテンプレート、シンボルやロゴの流用例を関係者に公開する。

「シングル・ソース・リファレンス」という基本原則を持ち、広報担当者からグラフィック制作会社まであらゆる関係者が、この唯一の情報源を使用する。したがって、様々な関連会社や代理店によって独自に解釈されることなく、コーポレートデザインを一貫した表現で展開することが可能となっている。

公開されるコンテンツは、管理者により制御が可能である。i-Baseを使用するには、IDとパスワードが必要となり、使用を許可された関係者のみが、情報と電子ファイルを閲覧しダウンロードすることができる。世界中どこからでも毎日24時間アクセスが可能。使用するにあたっては、特別なアプリケーションは必要なく、パソコンについているインターネットブラウザで十分対応できる。

また、公開されているファイルや情報は、文章であれグラフィックであれ、その電子ファイルは、すぐにそのまま制作用の版下に使用することができ、ガイドラインや説明書により読めばそれをどのように使用するか、使用すべきでないかが分かるようになっている。基本要素が既にテンプレートにセットされているため、制作におけるミスはゼロに極めて近く、生産性を高めているという。

i-Baseは、オランダ軍のアイデンティティの認知を高め、それを従業員やビジネス関係、競合他社、クライアントへ分かりやすく伝えることに一役買っている。

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